「個」の意識が生む力
緊急事態宣言が解除されから1ヶ月少々経ち、人手も増えて参りました。
以前でしたら、待ち合わせの人でごった返している夕方の品川駅中央改札前も、外国人と中高生でに賑わっている原宿の竹下通りも、以前と比べると、なんなーく静かで、逆に落ち着かない。
朝の通勤時間帯の電車もガラガラということはなくなりましたが、なんとなく隙間があることもあります。
帰りの時間帯では電車内で自分の席の隣に、ドンと荷物を置いている人を見かける事も多いのですが、立っている人も何も言いません。
今までは「一人でも多くのお客様が座れますように座席は詰めてご利用ください」
と社内アナウンスが流れていましたが、最近は全く聞きません。
換気のための窓開けの協力要請
テレワークや時差出勤の提案
他の乗客との距離に配慮するようにという注意喚起
構内や車内ではマスクを着用し、必要以上の会話は控えるような呼びかけ
電鉄会社も乗客の快適な通勤のため、そしてスムーズな運行のために
携帯電話の使用についての呼びかけであったり、
混雑を緩和させる目的でオフピーク出勤を促す運動をしたり、
といった「皆さんお願いしますねー」的な呼びかけはありましたが、「はい、そこのあなたも、あなたも、そこのあなたもー」という感じで、ここまで「個」に対して働きかけをしてきたことはなかったのではないでしょうか。
そしてそれを義務・マナーとして守っている人が多かった様に思えます。
※もちろん例外的な人もいますが。
おかげで世界からみると日本は感染者数、死亡者数は抑えられたのでしょう。まあ、わたしが統計をとっているのではないので、本当のところはわかりませんが。
それだけではなく、日本では挨拶で握手やハグをする習慣がなく、元々他者とのSocial Distance(Physical Distance・物理的な距離の意味)が広かった事から、物理的に一定の距離を保つということはしやすかったこと、
常に土足ということはなく、外から帰ってきて居住空間では履物を脱ぐ(履き替える)といういうこと
なども功を奏したとも言われています。
個人個人が意識することで大きな力を生む事に繋がったのでしょう。
せまい日本では、空間を確保するのは難しい場面も多々あります。
しかし、狭い飲食店なども、その環境で出来る限りの対策をし、なんとか営業しようと努力しています。
天災、人災、恐慌、まったくない平穏な時など有りえないのです。「個」が意識を持って臨むことこそが、なにかを乗り越える力になるものと信じています。