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幸子にラブ・ソングを

第7話

MAJIでKOIする・・・?

幸子はいま、モーレツに働いていた。
先日、新橋くんからポジティブなフィードバックをもらったから。それもある。
新製品のリリースが決まり、業務量が増えたから。それもある。
どちらもあるが、1番の要因はセールスマーケティング部の赤坂氏の存在である。

赤坂氏と幸子は、ここ最近で頻繁にデータや資料をやり取りするようになった。
それまで「エミリと同じ部署の人」だった認識が変化したきっかけは、彼の作る資料である。

「今日の資料もスゴイ・・・」

幸子は、赤坂氏から送られたパワーポイントのファイルを開き、ため息をついた。
赤坂氏が作成する資料は、いつもとてもキレイに作りこまれている。
また、その資料をもとにプレゼンが行われると、
彼がいかに過不足なく合理的な資料作りをしているかが分かる。

仕事がデキるビジネスマンって感じで、ちょっとイイんだよね。

資料をプリントアウトしつつ、あっちにメールし、
こっちに電話し、と幸子がテキパキ仕事をこなしていると、
赤坂氏が幸子のデスクへやってきた。
手には、先ほど幸子がプリントアウトした資料。なんて気の利く!!

「これ、内さんが出したやつだよね?」

お礼を言って資料を受け取りつつ、幸子は赤坂氏をくまなくチェックする。

相変わらず小洒落たスーツが似合う。
メガネ姿も週末のドラマに出ている●ィーン・フジ●カっぽくてイイ。

「この間のデータ、ありがとね。内さんの仕事はいつも丁寧で正確だから助かるよ」

こんなリップサービスがサラリと出てくるあたりもスマートだ。

「うちの部署の藤沢さんなんて、愛想だけ良くてエクセルもまともに使えないからなぁ」

・・・んっ??

赤坂氏の左手薬指に指輪がないことに気を取られていた幸子だが、
とっさの違和感が彼女の心にブレーキをかける。

エミリはまぁ確かにちょっとアレだけど一緒に仕事をする仲間なのに。

「それで、今朝メールもらったオンサイトサービスの件なんだけど・・・」

もう対応してくれるなんて!うん、やっぱりカッコイイかも☆

久々のトキメキにひたりたい誘惑もあり、判断を保留にしつつも、
今度エミリとランチに行こうと心の手帳に書きつける幸子であった。

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