進化することと、変わらないことと。
コーディネーターの手倉森です。
つい先日まで年賀状を書いていた気がするのに、気付けば2月もそろそろ終わり。
きっと、オリンピック・パラリンピックもあっという間にやってきて過ぎ去っていくのでしょう。
さて、採用現場でのIT活用が増えてきている今日この頃。
某大手就活サイトさんが学生さんの内定辞退予測なるものを販売していて問題になった事件は記憶に新しいですね。
採用におけるIT活用の仕組みは様々ですが、そのなかでも【AI面接】は
『面接にかかる時間と負担を減らすことができる』
『属人的になりがちな評価を客観的に見ることができる』
という点で企業側/応募者側の双方にメリットがあるシステムです。
お隣の韓国では、大手企業のおよそ1/4がAI面接を導入または導入を検討しているという情報もあるほど。
ところがAIによる面接が急速に増えていることで、就活生のみなさまには新たな悩みが出てきている・・・そんなニュースを先月、見かけました。
(「AIが面接官」という韓国企業が急増、頭を悩ます学生たち)
AIは「●●大学卒業ならきっと優秀だよね」「リーダーシップがありそう」といった『先入観』『印象』に左右されてくれません。
そして「このタイプの面接官にはこういったパターンが高評価だ!」という『テクニック』も通用しません。
もちろん、話し方や表情も評価材料にはなりますし、想定外の質問にどう対応するか?という臨機応変さ/柔軟性もチェックポイントのひとつです。
しかしなが、AI面接システムを開発した会社によると、
AI面接で重視されるポイントは「いかに問題意識/課題意識を持って取り組んできたか?」という点。
私個人の例を挙げるのならば、学生時代にケーキ屋でアルバイトをしていた理由としては「たまたまバイト募集の張り紙を見たから」ではなく「部活動の資金を貯めるため。学業とも両立させたかったので定期券の範囲で選んだ」と回答するのが正しい、ということになるでしょうか。
ここまでの話を振り返ると、AI面接は「誤魔化しがきかない」「これまでの経験や取り組みがダイレクトに評価される」といえそうです。
正直に白状します。
私、自信ありません。
韓国ではAI面接用の対策講座なるものがあり、そこに大金をつぎ込む就活生がいる、というのも納得です。
とはいえ、現時点では、AI面接の結果だけで合否が決まることはないのだとか。
AIができることは、あくまでも「客観的な評価」を提供すること。
その評価をどのように判断するか?それは、これまで通り「ヒト」に委ねられるのです。
AIが高評価をつけた人ばかり採用していると「船頭多くして船山に上る」なんてことにもなりかねません。
自社にとって、このポジションにとって、どんな人材が望ましいのか?をしっかり見極めたうえで評価を読み解いていく。
ITが発達しても、人事に求められる役割は意外と変わらないのかもしれませんね。
【参考リンク】
・「AI面接」の攻略方法とは? 「実体験」して分かった人工知能への挑み方
・就活に広がる「AI面接」で勝てる学生とは 無名大学は逆襲のチャンス、高学歴層は要注意
・「AI面接官」が主流に?人事部が押さえるべき面接のこれから