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明るく楽しく働くためのIDEA-MAGAZINE

「なぜ、大人になると1年は早いのか ― 有限であるということ」

みなさま、こんにちは。本記事の執筆担当・桐生です。

だいたいの大人が、月末にはこう言っています。
「え、もう今月終わるの?」
正月って、この前じゃなかった?とかもう今年も四分の一が…とか。

子どもの頃の1年は、あんなに長かったのに。
夏休みなんて、終わる気配がなかった。
でも今は、あっという間。
これは年齢のせいだ、という説明があります。

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ジャネーの法則

「ジャネーの法則」というものがあります。
簡単に言えば、
人生のある時期に感じる時間の長さは、その人の年齢に反比例する、というもの。
10歳の1年は人生の1/10。
40歳の1年は人生の1/40。
数字で見ると、たしかに納得感はあります。
でも、それだけでは説明しきれない気がします。
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慣れと記憶の密度

子どもは毎日が初体験です。
初めての友達、初めての場所、初めての感情。
脳は常に世界を更新している。
大人はどうか。
会議も、仕事も、ある程度パターンがある。
「だいたい分かる」世界の中で生きている。
驚きが減る。
記憶の密度が下がる。
だから振り返ると、1年が薄い。
これも一つの説明です。
でも今日は、もう少し踏み込みたい。
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ハイデガーの話

哲学者ハイデガーは、人間を「死へ向かう存在」と定義しました。
少し怖い言い方ですが、
人間は「自分がいつか必ず終わる存在」であることを知っている。
これを「有限性」と言います。
子どもの頃、時間は無限にあるように感じていました。
大人になった今は、どこかで分かっている。
「時間は限られている」ということを。
40歳の1年は、1/40だから短い、というよりも
「残りが減っていく」という感覚が、
無意識に時間を圧縮しているのではないか。
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有限であるという自覚

ハイデガーは言います。
「人は、自分の有限性を自覚したとき、
初めて“本来的に生きる”ことができる」、と。
時間が早いと感じるのは、
単に老いたからではなく、
「自分の時間が有限である」と、
どこかで気づいているからなのかもしれません。
それは恐怖でもあるけれど、
同時に、希望でもある。
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時間を取り戻す方法

もし人生が無限なら、
今日を適当に過ごしても問題はありません。
でも有限なら。
今日という1日は、
二度と戻らない。
そう考えると、
「時間が早い」と嘆くより、
「どう使うか」を問う方が、
少しだけ前向きに思えてきます。
新しいことをする。
人とちゃんと話す。
面倒なことを後回しにしない。
それは単なる生産性の話ではなく、
有限な時間に対する、姿勢の問題なのかもしれません。
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時間が早いのは、歳のせいでしょうか。
それとも、有限であることを知ってしまったからでしょうか。
もし後者なら。
残りの時間を、どう過ごしますか?
ではまた。

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