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明るく楽しく働くためのIDEA-MAGAZINE

終わりを「次のチャレンジ」に変えるために

数日前まで汗だくになっていたかと思うと急に秋らしくなってきました。
秋といえば、実りの秋、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、、 ←毎年言っている 笑

涼しくなって、増えてきた皇居の周辺を走るランナーを見ていると、今はちょっとお休みしているのですが、アスリートのセカンドキャリア支援に取り組んでいた時のことを思い出しました。

その時に考えていたアドバイス?というより、贈る言葉、贈りたい言葉をとりとめもなく(笑)まとめてみました。

何よりも、アスリートにとって引退はゴールではなく、新しいチャレンジだということを伝えたいですね。
しかし、多くの元アスリートが直面するのは「次に何をすればいいのか分からない」と不安に思う人も多いのではないでしょうか。
これまで競技に全てを捧げてきた分、社会人としての経験やスキルに自信を持てない人も少なくありません。
ですがスポーツで培った力は、ビジネスの世界でも必ず活かせると思うのです。
重要なのは、自分の強みを言語化し、次のフィールドに翻訳する力を身につけることなのではないか?と考えました。

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<1>まずは受け入れる

多くの場合、20代後半〜30代で第一のキャリアが終わりを迎えます。
一般企業に勤める同年代の人々は、ようやく中堅社員となる時期ですね。
いざ就職活動を始めて、人事担当者など企業に勤める方と接する機会があると、自分との差を見て焦りを感じるのではないでしょうか。

しかし、アスリートには「圧倒的な集中力」「継続する意志」「成果に向けた貪欲さ」「チームでの役割遂行力」など、多くの社会人が容易に身につけられない強みがあると思うのです。
まずは「自分のキャリアは一度リセットされる」という現実を受け入れたうえで、その強みを社会人の言葉に翻訳することを考えてみましょう。

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<2>自分を知る

元アスリートが、ありがちにやってしまうのは「次の仕事を急いで決める」こと。
本当にまずやるべきことは「自分の棚卸し」です。
一般社会人が転職するときも同じように、「キャリアの棚卸しをしてみましょう」とよく言いますよね?まさにそれです。

・どうのようなシーンで力を発揮できたか?
・苦しい状況をどう乗り越えてきたか?
・チーム内ではどのような役割を担ってきたか?
・どのような価値観に基づいて行動してきたか?
ほらこれって、一般社会人の面接でもよく聞かれる項目だと思いませんか?

これらを言語化することで、スポーツの枠を超えて、自分はどういう環境で力を発揮する人間なのかが見えてきます。

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<3>「アスリート力」を言語化する

一般社会では、実績やタイトルそのものよりも、「その経験を通して何を学び、どう成長したか」が問われます。

・「毎日の練習を欠かさなかった」
→「目標に対して日々の行動を積み上げるPDCAサイクルを回せる」
・「怪我から復帰した」
→「トラブルに直面してもリカバリーし、成果を上げる力」
・「キャプテンを務めた」
→ 「メンバーのモチベーションを高めながら組織をまとめるリーダーシップ」

翻訳することで、アスリートとしての経験は確かな職業スキルに変わると思いませんか?
企業が求めるのは「主体性」「チームワーク」「粘り強さ」「目標達成力」といった、まさにアスリートが持ち合わせるそのものだと思うのです。

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<4> どこでも大切、基礎練習

次に、「自分がどんな分野で成長したいのか」を考えていきます。
スポーツ関連の仕事(監督やコーチといった指導者、トレーナーなど)を選ぶ人もいれば、まったく異なる業界に挑戦する人もいますよね。
「最初から完璧を求めない」がポイントです。

最初の1〜2年は、まるで新人選手のように学び続ける時期だと素直に飲み込むのがベターです。
スポーツも基礎練習を積み重ねて初めて試合で成果が出るのとビジネスも同じ。
今までほとんど触ったことが無いようなPCの操作、報連相の仕方、メールマナーなどなど、これも次のステップへの基礎練習です。
アスリートとして培った「継続する力」をこの学習に活かせば、成長スピードは加速するのではないでしょうか。

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<5>社会との接点を早めに持つ

可能であれば現役中から、社会との接点づくりを始めておくのも良い方法と思います。
企業訪問、セカンドキャリア研修、インターンなどに積極的に関わることで、「自分がどんな環境に興味を持てるのか」「どんな働き方が合いそうか」を体感することです。

今であればSNSを通じて、自分の考えを発信することもよいでしょう。
これがそのまま自分のブランディングになり、将来の仕事のチャンスを広げるきっかけにもなります。
企業だって採用にSNSを使って発信していますよね?あれと同じことです。

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<6>チャレンジは続く

アスリートの本質は、「勝ちたい」「負けたくない」「成長し続けたい」という「欲」にあると思っています。
そのマインドを持ち続ける限り、現役を引退したとしても次々と新しいチャレンジがやってきます。
セカンドキャリアを引退後の再就職と思うのではなく、新しいチャレンジと考えてみてください。

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<7>「アスリートの強み」を社会の言葉に変える

セカンドキャリアに正解はありません。
ただ言えるのは、スポーツで得た経験は、必ず社会で活かせるということ。
スポーツで培ってきた努力、忍耐、チームワーク、リーダーシップ、自己管理能力、これらを社会の言葉に変換できれば、どんな分野でも必ず評価されると考えます。

そう、引退は終わりではなく、再びチャレンジャーになれるチャンスなのです。

 

 

アスリートのみならず、チャレンジする人を応援し続けたいなと思った2025年・秋でした。

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